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書くときの注意点(2) 表現編
 読んでもらうものである以上、読んでもらえる表現で書かなければなりません。では、どのような表現が「読んでもらえる表現」なのでしょうか。
 たとえば、

私の友人に父親を過労死でなくしたものがいて、いつも「人は会社のために生きているわけではない。会社のために死んだ自分の父親は人として失格だ」といっているが、現在の企業社会の状況から見て、ある程度会社のために働かざるを得ない現状があるのかもしれない。

といった文はどうでしょうか。
 一文だけでできている
この文は多くの意味を含んでいます。これに対し、読み手は一文単位で意味を取ろうとします。つまり、読み手は、この長い一文を一つの意味のまとまりとしてとらえようとするのです。しかし、実際にはこの一文は多くの意味を含んでしまっています。そのため、この一文は読み手にとって難解なものになってしまっているのです。
 そこで、この文を以下のように書き換えてみましょう。

私には父親を過労死で亡くした友人がいる。彼は「人は会社のために生きているわけではない。だから、会社のために死んだ父は人として失格だ」と口癖のようにいう。しかし、現在の企業社会の状況を考えると、会社のために生きなければならない現状が今の日本社会にはあるようにも思われる。彼は自分の父親をそんなに責めなくてもいいのではないだろうか。

先に記した内容を三文に分け、まとめる内容を付け加えてみました。声に出して読み比べてみればすぐに解ると思います。後から記した文章の方がリズムがあって、意味を取りやすいものになっているはずです。
 このように、
短い一文を重ねるように心掛けるだけでも読みやすさはずいぶんとかわるものなのです。
 また、他にも注意するだけで文章が読みやすくなるポイントがいくつかあります。ここでは場所に制約がありますので、そのうちのいくつかを簡単に紹介しておきますので参考にして下さい。詳しいことは授業で紹介します。

一文は短く
 上記に示したとおりの理由です
「私は〜」「〜と思う」は極力使わない
 小論文試験の場合、書かれた内容が書いた人間の「考え」であることは明らかです。その意味で「私は〜」という表現は読み手にとってくどい表現と言えるでしょう。また、自己中心的で他の人間に通用しにく意見である印象を読み手に与えてしまうこともあります。
 「〜と思う」という表現は「思い=根拠不要の感覚」を示す表現であり、「考え=根拠があるアイデア」を表明する論文には相応しくない表現と言えるでしょう。
主語と述語の対応に注意
 どうしても長めの一文をかかなければならない場合には、主語と述語の対応に注意しましょう。一文の中で主語がかわることがあるので、それぞれの述語部の主語がその文の主語と一致しているかどうかを核にする必要があります。
です・ます調は使わない
 基本として常体(だ・である調)で書くようにしましょう。です・ます調はマス目を多く使うので字数稼ぎの印象を読み手に与えてしまいかねません。また、論文は研究という一つの決まったフィールドで行われるものであるため、無理にへりくだった丁寧体を使わないで良いとされてもいます。へりくだっている分だけ説得力が失われると感じられるからでしょう。本当の名文家が書いた論文は、です・ます調でも説得力があるのですけど。まあ、私たちはまだ素人です。だ・である調でおしましょう(このHPはです・ます調で記してありますが、私も論文のときは、だ・である調で書いています)。
俗語は用いない
 ともだちとの会話ではないので。
 (例)〜みたく ←不可!
    〜のように と記すべきですね。
原稿用紙の使い方を守る
 小学生の頃に習った話で恐縮ですが、書くときのルールのなので、守って下さい。
体言止め・倒置法などの表現技巧は極力さける
芸術表現をしているわけではないので、意味が正確伝わるように心掛けることの方が重要になります。特殊な表現技巧は避けるべきものです。
指示語は使い方に注意
 指示内容がはっきり解る形で使いましょう。一種の省略表現ですので、使ってしまうとどうしても意味がぼやけます。指示内容がどこなのかが解る形で使うような配慮が必要です。


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